近年、日本でも注目が高まっている制度が 「給付付き税額控除」 です。
「そもそもどんな仕組みなの?」「海外では効果があったの?」と疑問を持つ方も多いはず。
この記事では、給付付き税額控除の仕組み・海外の導入国とその効果・日本で導入する場合のメリットとデメリットについて、分かりやすく 解説していきたいと思います!

興味津々です!
給付付き税額控除とは?
給付付き税額控除は、低所得層にも支援が届く新しい税制です。通常の「税額控除」では、そもそも納めている税金が少ない人は控除の恩恵を十分に受けられません。そこで「給付付き」にすることで、所得が高い人には税額控除として減税効果が、所得が低い人には給付金として支援が届く仕組みです。
つまり、
- 税金を払っている人 → 控除で負担減
- 税金をほとんど払っていない人 → 給付でサポート
という“ダブルの仕組み”になっています。
👉 働いて収入を得ると、税金の軽減+現金給付で手取りが増えるのがポイント。
[通常の税額控除]
┌─────────────┐
│ 所得税の額:10万円 │
│ 控除額:5万円 │
│ → 支払う税金は5万円 │
└─────────────┘
※税金を払っていない人は恩恵なし
▼
[給付付き税額控除]
┌─────────────┐
│ 所得税の額:0円 │
│ 控除額:5万円 │
│ 控除しきれない分は │
│ → 現金で給付される │
└─────────────┘
※低所得層にも支援が届く
海外での導入状況と効果
そのなことできるの?と疑問に思われる方のために、実際に海外で導入されてどのような状況になったのかと効果についても調べてみました!
アメリカ(EITC)
- 年間数百万人を貧困から救済
- 特に母子家庭の就労率アップ
- 子どもの学業・将来の所得にもプラス
イギリス(ワーキングタックスクレジット)
- 低所得世帯を強力に支援
- 就労意欲の向上
- ただし制度が複雑で「申請しづらい」との課題あり
カナダ(Canada Workers Benefit)
- 単身・子育て世帯の生活安定
- 税務申告と連動した「自動給付」で漏れを防止
フランス(Prime d’activité)
- 若年層の就労インセンティブに効果
- 失業給付や住宅手当と組み合わせ安心感を提供
ドイツ(Kinderzuschlag)
- 子育て世帯の貧困削減に寄与
- 児童手当との組み合わせで支援を強化
国名 | 制度名 | 主な対象 | 特徴 |
---|---|---|---|
アメリカ | EITC(勤労所得税額控除) | 低所得の就労世帯 | 子どもが多いほど給付額が増える/就労促進効果が大きい |
イギリス | ワーキング・タックス・クレジット(現在はユニバーサル・クレジットに統合) | 低所得労働者 | 家族構成に応じて給付額が決定/生活保護と一体化 |
カナダ | カナダ・ワーカーズ・ベネフィット(CWB) | 低所得労働者・子育て世帯 | 単身者も対象/自動給付化を進めている |
フランス | プリム・ダクティビテ(Prime d’activité) | 若年層や低所得労働者 | 「働くインセンティブ」を重視/社会保障と連動 |
ドイツ | キンダーツーシュラーク(Kinderzuschlag=児童加算給付) | 子育て世帯 | 児童手当と組み合わせて支援/貧困防止が目的 |
日本 | ―(検討段階) | 低所得世帯・子育て世帯(想定) | 導入議論あり/所得把握や財源確保が課題/現状は給付金や児童手当で対応 |
メリットと課題(導入国の事例から)
メリット
- 貧困削減・格差是正
- 働く意欲を高める(就労促進効果)
- 子どもの教育・健康に長期的なプラス影響
課題
- 制度設計が複雑化しやすい
- 財源の確保が大きな課題
- 支給漏れや遅れのリスク
日本で導入するには?
導入にかかる時間
- 制度設計、試行導入 → 数年単位
- マイナンバーや税務システムの整備 → さらに数年
👉 実際に開始するまでには 5〜10年程度かかる 可能性あり。
日本でのメリット
- 子どもの貧困対策の強化
- 働く人の生活を安定させ、消費拡大にもつながる
- 格差是正の有力な政策になりうる
日本でのデメリット
- 財源(数兆円規模)が必要
- 対象範囲や所得制限の設計が難しい
- 制度が複雑になり、国民に理解されにくい可能性
まとめ
給付付き税額控除は、
「働く人を応援しながら、生活も守る」 というバランスのとれた仕組みです。
海外ではすでに効果が実証されており、
日本でも導入できれば大きな一歩になります。
ただし、財源や制度の分かりやすさといった課題をどうクリアするかが鍵です。
今後の議論の進展に注目していきましょう。

最後までご覧いただきありがとうございます。参考になりましたら嬉しいです♬
コメント